雇用形態と社会的身分

2011.12.16

労働基準法三条は、労働者の国籍、信条または社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について差別的取り扱いをしてはならないとしている。そこで規定される「社会的身分」のなかに「パート」や「有期雇用労働者」などの雇用形態・就業形態を含めて適用することになれば、雇用形態の違いによって差別的取り扱いをしてはならないということにもつながるだろう。しかしながら、裁判所は、「社会的身分」とは、生まれながらにして宿命づけられた身分をいうとしている。

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つまり、たとえば被差別部落出身であることを理由にした差別は、憲法や労働基準法によって禁止される「社会的身分による差別」にあたるが、「臨時・パート」といった労働契約上の地位は含まれないとしているのである。要するに、契約上の地位は、労働者が自分の意思で選択したもので、生来のものではないということだ。しかし、パートという地位は契約上の地位ではあっても、不利益な労働条件は任意の選択によるわけではない。もしそうした不利益を受け容れないとすれば、働くことそれ自体を諦めなければならなかっただろう。日本の非正規雇用は、その人の責任ではない性役割などの事情から、「パート」「臨時」「派遣」しかないというように、選択肢とはなり得ないところに特徴があり、いくら仕事の専門性や重要性があり、また、キャリアを積んでも、それとは無関係に低い地位が「身分」のように固定されている。これこそ、自らの手によって選び取ったものとはいえない「社会的身分」ではないだろうか。




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