職業生活の安全と自由のトレード・オフ

2012.01.08

少し冷静に考えてみれば、このような二分法や二者択一が物事をあまりに単純化するものであることは明らかだ。雇われるということ自体が、自由よりも安全を選択することであるといえば済むことであり、と同時に、たとえそうだとしても、安全のために人はただ、依存と従属に甘んじるわけではない。あるいは雇用関係に入るということが一つの制約を受け入れることであったとしても、しかし制約を前提として個人の自発的行動も生まれうる。

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そして何よりも、安全が依存を意味し、依存が従属を意味すると述べ立てることとは正反対に、安全が信頼となり、信頼が協力となる、と解釈することも可能である。いずれが正しいかというよりも、安全と自由という二つの側面からわれわれの職業生活が成り立っているということであり、それは「会社人間」においても変わりはない。なるほど、現実の選択としては、雇用の安定と転職の自由の間には、不可避のトレード・オフがある。しかし、この二つを共に実現することは不可能だとしても、それを単純に二分するのではなく、そこに何らかの組み合わせが考えられるのではないか。




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